絡繰芝居 グレイ

>>60　クリオ
ボクの表情？
アンタの首が刎ねれば面白い物が見れるかもしれないな。
『もうっ！　喧嘩腰はダメよグレイ！』

[何処からか声がする。
可愛らしい西洋人形が金糸雀色の髪をグレイの手元でゆらゆら揺らしている。"ある一点"を除けば、何の変哲もない人形。]

『ゴメンなさいね？　グレイってば、人見知りで。
私の名前はネージュ。
私とも、仲良くしてくれると嬉しいわ。』

……フン、アンタは別の意味で甘すぎる、ネージュ。
アンタの首が刎ねるショーが見れることを、心底楽しみにしているよ。

[その人形の口は固く閉じたまま、クリオを見据える。
その声は、人形から聞こえない。]

[気のせいだろうか。
代わりに、微かにグレイの口元が動いていた、かもしれない。]