<<轢く>>あれは歴史に残らない轢死体だった白い顔をして愛情を、嫉妬を、不安を、退屈を轢いてゆく踏み切りの向こうでジャンプ、フライハイきみが言えなかった最後のバイバイ転んでも、ほどけても、おどけろよ少年少女これ以上の証明などできないとわかっていても憂鬱を、平穏を、疑いを、安心を轢いてゆくんだねきみはぼくよりすこし遠くへ行くんだね