月狼国

36 【誰歓】詩人狼村2nd【ガチ】


忘れ人 沙華

《シキ》

 湿気を帯びた森のなかにある一冊の本のような
 乾いた表紙、読み取りにくいタイトル、優しい言葉で綴られた難解な物語(ストーリー)
 あの子がかけていた眼鏡のような
 かつて見たはずの瞳をもう思い出せない、彼女が見たのは僕か彼か
 
 努力家の太陽から逃れて、バス停にあるトタン屋根の下で君は本を読んでいる

群青に溶ける君の輪郭、幻想の中に散らばる君の言葉
 ページとページの間に置いてけぼりの願望
 ガラスごしに呼びかけた声

「ドン・キホーテは本を読んだが故に紳士になり、その内容を信じたが故に狂人になったんだよ」
「君は自分がかけている眼鏡の色をわかっているのか?」

(139) 2018/04/30(Mon) 20:42:20

(0.06 CPUs)
SWBBS V2.00 Beta 8 あず/asbntby
当サイトは日本国内専用です。
海外からの操作・閲覧は保証しかねます。
管理人 by yukari
雑用 by apricot/garnet