こんな廃病棟に集まっちゃった老若男女の話をしろって?
ある月の綺麗な夜<<【渚】 二つ結ひ ナギサ>>はここへとやってきた。
呼ばれたのだ不気味な声に。隣には<<【当】 当直 ツグアキ>>と<<【渚】 二つ結ひ ナギサ>>がいて、暗い廊下の中射し込む月光は妙に明るくて、ちょっとだけ怖いのが和らいでいたのだがそんな折に背後から物音が。
振り向く先には真っ暗闇が広がっていて、あれ月光?なんて思った直後に三人の視界は闇に奪われた。
気付いた時にはただ一人、しゅじゅちゅ台の器具の上に寝かされていた。古ぼけた壁に天井に、蜘蛛の巣垂らし煌々と照らす明かりに水滴の落ちる音。心音を告げる機器の声、隙間風の唸る音…
身動き取れぬ中ヒタヒタと近寄ってくる人の気配
唯一動かせる目線だけそちらへと向けると、そこには…………