《踏み出した人》雪の上にてんてんと 一筋続く赤い足跡白い雪に滲んでは 兎の眼のようにぽつんとついたぐるぐると雪に残る 獣じみたすえた匂い壁に映る大きな影 それは真か目の錯覚か想像力が爪を生やし 暗い翼大きく広げた外は霞み先は見えない 中は温いが待つのは破滅誰を信じ誰を切るか 疑惑が皆の目を曇らせる自分信じ勇気ふるい 寒い雪に足跡刻む先に待つは救いの光 それとも開いた大きな口か彼の行方は誰も知らない 重い雪が窓を叩くそれでも小さな彼の一歩を 今日は讃え明日に続こう