詩人は拙速を尊ぶ。
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「あの酒」「あの魚」語感紐付け&意味重ね。
第一連後半、その流れ汲みつつ、
「目」「手」「足」と映像的に読み手に映像を意識させたうえで視線をずらしてゆく。
巧いポイントとして、最初だけ「俺」が出てくるけど、
魚を釣り上げたり手に入れたり踏みしめたのは
(厳密には)話者であると言っていないところ。
読み手の想像で遊んでる。
これが後半の自立的なエモさにつながってく。
「誰かに」「他の誰かに」この推移もうつくしい。
「誰か」を強調すると同時に自分にもう一度(冒頭以来の)フォーカスが戻ってくる。強く。
そして「他の誰でもない自分」で落とす、という。