プロローグ / 85 何かが始まりそうな村【Ｇ亜種】【突発誰歓】

85 何かが始まりそうな村【Ｇ亜種】【突発誰歓】

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[今日の仕事を終え──嘆息。
宵闇のように暗く、妙に冷え込む夜空を眺める。
星は見えず、雷の音が空に響く……が。
不思議とそこに雲がかかっているようには見えなかった（・・・・・・・・・・・・・・・・・・）。]

そうか、それが……そうですか。ですか

──つまり、その時が来た、ということですね。ですね

[倉庫に入ると、立ててある大きな箱。
中央にあるボタンを押すと、音を立てからくり式に開く。中では一着の巫女服がその容量を専有していた。]

おお、相変わらず凄い開き方です。
……これ、着てみたかったんですよね。ですよね

(72) 2019/03/08(Fri) 20:15:12

水の巫女スイレン

…………始めます。

[そう冷たい声で一言残し、そして──舞う。
蝶の羽ばたくように。桜の花弁の散りゆくように。
時に激しく、時に穏やかに。ただ一心に、祈りを込めて舞う。

周囲に人はいない。暗く狭い屋内でただ一人、見世物として練習を重ねた舞を神に捧げるのだ。
その舞を知るものが見るならば、きっと気付くだろう。
彼女の先代もその先代も、寸分違わず全く同じ動作をしていた。まるで同じ人物であるかのように、先代と同じく整った美しい舞だった。]

────。

[舞を終える。それを神に告げると、呼吸を忘れていたかのように急に息を荒らげた。
疲労のためか、あるいは神への失礼に値するためか。その場に膝を曲げて姿勢良く座り、しばらくの時間を過ごす。]

……うう。疲れました。ました
これで良いんですよね？ですよね？

[やがて気を抜くと、姿勢は崩れ声色は柔らかくなる。]