111 【少人数特殊ガチ】動機。【重RP】
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【赤】 寡婦 八千代
― 最後の夜 ―
(――あたくしはいったい、何がしたかったのだろう。)
[息を切らせて走りながら、八千代は自問する。
背後からは自分の名前を呼ぶ、少女たちの声。
開票役を務めたのは八千代だったから。
投票で選ばれ、地下室に監禁されることになったのを誰よりも速く理解した、次の瞬間。
八千代は廃屋の窓を破り、そのまま逃げだしたのだった。]
【赤】 寡婦 八千代
（もう――馬鹿みたいザマスね。）
[さすがに、自分が犯人だと言っているようなものだ。
でももうそれで良かった。
自分の正体を知ったと思ったはなこを殺し。
目撃者の百花を殺し。
だけど――いつのまにか、この日々に耐えられなくなっていた。]
【赤】 寡婦 八千代
（どうして、こんなに弱くなってしまったんザマしょ。）
[目を閉じると、百花の笑顔が浮かぶ。
人を喰ったような態度も、時に見せる猫の様な愛らしさも。
冷たくあしらってもついてくる彼女に、
いつの間にか心を許していた。]
（――ああ、そうか。）
[八千代は自嘲の笑みを浮かべた。
自分の気持ちに、今更気が付いたのだ。]
（百花さん、あたくしはきっと、あなたのことが好きだった――。）
【赤】 寡婦 八千代
[馬鹿だ、本当に馬鹿だ。
殺しておいて今更何をいうのかと思っても、気持ちは止められなかった。
だから。]
――つゆりちゃん、ひさめちゃん、さみだれちゃん。
[立ち止まり、後ろを振り返ると。
大声で3人の少女に叫ぶ。]
――おめでとう。
【赤】 寡婦 八千代
犯人はあたくしよ。
はなこちゃんを殺したのも、百花さんを殺したのも、あたくし。
そう、あたくしが人狼。
忌まわしき殺人鬼。
あたくしさえいなくなれば、もう誰も殺されないザマス。
でもね――監禁なんてされるもんですか。
こんなみすぼらしい廃屋はもうまっぴら。
おほほほほ。
ハイソなあたくしにはきっと――広い海が似合うザマス。
【赤】 寡婦 八千代
[八千代はぱっと振り返り、夜の闇を駆けていく。
どこまでも、どこまでも。]
（ごめんなさい、百花さん。
あたくし、もう一度、あなたに会いたかった――。）
[とめどなく零れる涙で視界が滲み、鼻をすすりながらも走り続ける。
やがて、崖が見えてきた。
その向こうには広い海。
少しも勢いを落とすことなく、人狼の脚力で走り、走り。
波音と潮風の中に――八千代は身を投げた。]**
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