月狼国

515 喫茶硝子屋プロデュース 透明と編纂


初見 ジェラルド

[街を彩るかぼちゃのランタン達と同じ、だけど少し小さいランタンを入口で受け取る。
闇に彩られた暖色は街を包み、行き交う人々は笑みを浮かべ。
光景に合わせ、そっと口角を上げてみる。

深淵を覗き込んだ。
深淵はようこそと引き擦り込んだ。

コバルトブルーの海。巨大な月が照らす空。
懸命に生きる人々。知らなかった様々な色が広がる世界。

世界は美しい。
だからこそ、足元は深淵へ沈んでいく。

いつぞやの街でふと、手に取った本に挟まれていた封筒。
どこの誰だか知らないけれど、望むなら叶えてあげよう。

求められることに縋りつき、そして思い浮かべる。
世界で最も大切な、そう―――。]

……君は、ここにいるのかな?

(91) 2021/10/19(Tue) 14:35:52

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