村人同士、容疑者として村の集会場に集められた人間同士の相互監視が始まり、さしものアタシも身動きが取りづらくなった。人狼という怪異の噂は街で仕事をしていたころにも耳にはしていたが、正直眉唾ものだと思ったものだ。戦や流行り病が続くと、そうした噂が国の統治が行き届かない寒村などで広まることはよくあるもの。初めはほとぼりが冷めるのを待ち、多少強引な手を使ってでもデスモンドを始末するつもりだった。