オレンヅと書かれたものをオレンヅと読む 勝つまでを負け続けるよ
手取川由紀『オレンヅ』(『短歌ムック ねむらない樹 vol.6』(書肆侃侃房、2021)より)
ではOの到着次第速やかにHELLをHELLOにして浮上せよ
木下龍也『君を嫌いな奴はクズだよ』 書肆侃侃房、2016
粒と粒押し合いながら実りたる黒き葡萄はわが手にあふる
中津昌子 『歌集 記憶の椅子』 角川文化振興財団、2021
浸しくる夕映え 王の死で終わる書物を閉じて立ち上がるとき
松野志保 『歌集 われらの狩の掟』 ふらんす堂、2021
抱きしめてみても鋼の義肢ゆえにその身の熱を奪い去るのみ
松野志保 『Too Young Too Die』 風媒社、2007
悪い夢は悪い子供のためにある なんてね いっそう長い道行き
瀬口真司 『KILLNG TIME』(『短歌ムック ねむらない樹 vol.6』(書肆侃侃房、2021)より)
#指定の話