人狼で見る、素人社会心理学
はじめに
私もまだ勉強中の身です。
人狼をプレイする中で役立ちそうなことは色々紹介したいと考えていますが、もっと詳しいことを知りたい場合は各自にて調べるよう、お願いします。
記載内容に誤りがある場合は、何卒ご容赦ください。
社会心理学とは
生活する中で、人との関わりというのは避けて通れません。
人が集まれば、集団となる。
大小問わず、誰もが集団に所属して生活をしています。
集団が出来ればその中で秩序を保つ為のルールやマナーができ、全体を印象づける雰囲気も作られる。
集団とは、社会の縮図なのです。
社会心理学とは、社会における個人の在り方、関わり方を研究する学問です。
集団の中で、個人がどのような感情を持つか。
集団の中でどのような影響を受けるか。
集団そのものは、どのように動きやすいか、等々。
集団との関わりを余儀なくされる現代社会だからこそ、生活に密接した学問なのです。
人狼と集団心理
長期人狼では、参加者達は約一週間を同じ村で過ごします。
人が集まれば、集団が出来る。
村でも「集団による影響」は発生します。
簡単な例を挙げてみましょう。
最初は「Aが狼だろう」と思っていたのに、他の人が「Aは白だろう」と言うのを聞いて、躊躇ってしまった。
結果、様子を見て希望を出さなかった。
これも、集団内で生じた影響に他なりません。
集団に身を置くことで、どういう影響を受けやすいか。
集団となることで、どのような動きが見られるか。
これらの心理を知ることで、村という集団をより深く知ることが出来ます。
村陣営をプレイする際はもちろん、人狼陣営をプレイする際にも、気に留めていただきたいと思います。
個人レベル
個人レベルといっても、各PLのレベルを定義するようなものではありません。
まずは個人の在り方や個人の行動を理解する為の心理について、解説していきます。
人狼にあまり関係ないと思われる部分は簡単な説明のみとなりますが、ご了承ください。
第一印象
人は何かを見る時、理解しようとする時は、過去の経験と知識から判断を行います。
ある人と最初に出会った時には、相手に「第一印象」を抱くでしょう。
社会心理学においては、この第一印象も一定の心理が左右すると言われています。
第一印象に関わる項目として、
- 性格特徴
- 知的特徴
- 意欲的特徴
上記三つがあげられます。
性格特徴は「優しそう」「人懐っこそう」といった、対象者の性格に由来するもの。
知的特徴は「頭が良さそう」といった印象に由来するもの。
意欲的特徴は、「エネルギッシュな人だ」等の印象に由来するものです。
これら全て、相手を見ただけで判断出来るものではありません。
口調や話す様子、話の内容を観察した上で判断に至ります。
特徴を捉える為に「相手を観察」し「判断」を経て、相手の特徴を「推定」します。
「穏やかな口調」で「論理的」に「物事をわかりやすく」説明してくれる人が居たなら。
その人の第一印象は「優しい」「頭が良い」といった特徴に結びつきやすい。
このように、他者を理解する為にもいくつか段階を踏んでいきます。
人間像
人は、第一印象のみで相手を判断し続ける訳ではありません。
自分が既に持っている知識と結びつけながら、自然と心の中で相手のイメージを作り上げていきます。
この作業を「内包的特性理論」といいます。
一度抱いたイメージは、それに近いイメージへと結びつきやすいものです。
「頭の良い人だ」と印象を抱いたなら、そこから「理解力も高い」と結びつきやすい。
「優しい人」と印象を抱いたなら、「話しやすい人」「気の良い人」と結びつきやすい。
このように、近いイメージが浮かびやすいものです。
一度肯定的な印象がついたならば、肯定的なイメージが結びつきやすく。
否定的な印象がついたならば、否定的なイメージが結びつきやすい。
一度「短気な人」と思われた場合、そこから肯定的イメージには繋がりにくく、「話しづらい」等のマイナスイメージに繋がりやすいのです。
このように、観察を経て得た情報を元に、自分の中で近しいイメージが付随して、自分の中で相手の「人間像」が作られていきます。
先にあげたような人間像は、自然と「相手の行動を予測」することに繋がります。
短気な人に対しては、自然と怒らせないよう振る舞い。
温和な人、言うことを聞いてくれそうな人には、自然と甘えたりお願いごとをすることが多くなる。
このように「相手を知る」ことから「相手との接し方」を考えるのです。
行動原因
行動は、その人の内的原因（性格・動機・意図等）か、あるいは外的原因（社会的・物理的状況）によって引き起こされます。
相手を知る為には、特定の行動がこのどちらによって起こった事象であるか、判断する必要があります。
これらの判断は
- コンセンサス
- 一貫性
- 弁別性
の三つの観点からなると、Hケリーは言っています。
1のコンセンサスは、「合意」「意見の一致」を意味する言葉です。
他者と同じように行動しているか否かを判断します。
他者と同じように行動している場合（高コンセンサス）は、そこに内的原因は存在していないと考えられます。
2の一貫性は、常に同じ行動を選択しているか否か。
同じ行動を選択しがちな場合（高一貫性）は、その人の内的原因が関わっていると考えられます。
3の弁別性とは、他の異なる出来事に際しても、常に同じように行動しているか否か。
常に同じように行動している場合（低弁別性）は、その人の内的原因が関わっていると考えられます。
人狼で例をあげてみましょう。
吊り先を決定する際、常に多数から希望されている先をあげる人は高コンセンサス＋高一貫性タイプ。
自身の意見を主張するよりも、流されやすい人なのかもしれません。（あるいは追従している人狼もありえるかも……？）
常に強気の判断をして、リスク管理を考えない吊り先を推す人がいるならば、高一貫性から内的原因に由来すると判断していいでしょう。
相手がどういう原因によりその行動を取っているかを考えることは、人狼ゲームではとても大切です。
特に人狼陣営に所属していて、場を有利に進めたい時には、相手がどういう選択をしやすいかを予想してみましょう。
村陣営で推理をする際は、相手の内的部分と行動が合致しているかどうかが推理材料となり得ます。
強気な人なのに、判断は弱気だったり。
あるいは、弱気な人が突然強い主張をしてきたり。
それぞれ、そう決断するに足る材料があるかどうか。
（弱気な人でも、それだけ強く主張するだけの要素を取っているか等）
判断材料の一つとして、誰かの判断に対して「その原因」を考えてみるのも面白いかと思います。
態度とは
社会心理学では、「態度」という言葉は日常生活で使われるものとは違った用語として定義されています。
社会心理学における「態度」とは、「物事に直面した際、その対象への評価や情報によって自身の行動を決定する要因」を意味します。
いくつか例をあげてみましょう。
ある学生が、学校でシャーペンの芯が切れていることに気付いた。
仲の良いクラスメイトにシャーペンの芯を貰いに行ったとしましょう。
「シャーペンの芯が切れている」という事象に対し、「誰かに芯を貰う」という行動を考え、さらに「貰いに行く対象」を決定しています。
シャーペンが使えないなら、ボールペンにて代用するという手段もある。
また、教室内には大勢のクラスメイトが居る。
この状況下で、なぜ特定対象に芯を貰いに行ったのか。
それは少なからず自分内で判断が積み重なった結果です。
（ボールペンは消せないから不便、あの子は優しいから快諾してくれるだろう等々）
この「行動を左右する要因」が「態度」となります。
別の例をあげてみます。
仕事上がりにお腹がすいていたので、駅を出てすぐ近くにあるラーメン屋さんで味噌ラーメンを食べて帰った。
なぜ駅を出てすぐのラーメン屋なのか？（→帰り道にあり、交通の便が良いから）
なぜ味噌ラーメンなのか？（→味噌ラーメンが好きだから）
これらの決定も「態度」によるものです。
人狼でも、態度は大きく関わってきます。
「霊候補Aは灰に全然触れてないし、狂人だと思うけど、とりあえずロラしようぜー」
この判断一つをとっても、
「灰にあまり触れていないから狂人」
（真なら灰をしっかりと探るだろうという経験則による思考背景）
「とりあえずロラ」
（Aを狂人予想はしていても、とりあえず複数居る候補は両方吊るという判断）
これらの態度によって決定されています。
態度はどう役に立つのか。
まず、態度は情報処理の際に役に立ちます。
態度を用いなければ、大勢のクラスメイトの誰に声をかけるか。
また、ラーメン屋で何を注文するか。
それら多くの選択肢が前に広がってしまいます。
自然と振り分けているからこそ、選択肢を狭め、素早く決断に至れるのです。
態度は信念の要約にも役に立ちます。
なぜ味噌ラーメンを注文したのかと聞かれた場合、「野菜をふんだんに使っているから……」とか、「唐辛子とニンニクによる辛味成分が……」等と答えるよりも、簡素に「好きだから」と答える人がほとんどでしょう。
前者における要素は味噌ラーメンに対する理解であり、社会心理学ではこれらを「信念」と呼びますが、後者の「好き」というのはそれらを一言で簡素に表明しています。
また、態度を知ることで、他者の行動を予測することも出来ます。
人狼でも「複数居る能力者は、とりあえず吊る！」「決め打ちはなるべく遅い方がいい！」という人が居たならば、そこから相手の吊り先希望や主張展開を予想できるでしょう。
評価による影響
態度とはどのように作られるものか、説明していきましょう。
「オペラント条件づけ」と呼ばれる考え方によると、ある行動が当事者にとって肯定的な結果を生み出すと、その後同条件下において同様の行動を取る傾向が高くなると言われています。
逆に否定的な結果を生み出すと、その行動を避けることが多くなります。
自身の行動ないし意見について、他者から肯定的に取られたり褒められたりなどの「報酬」が得られたならば、その後似たような場面にて同様の行動を選択する可能性が高くなり。
反対に特定の行動によって、他者から否定されたり叱られるなどの「罰」を与えられたならば、その後同じ態度を取ることを避けるようになりがちです。
日常生活では多くの場合、既に持っている態度を強める、あるいは弱めるという形で進行します。
人狼においても、この「他者からの評価がその後の態度に影響する」という現象は、よく起こります。
とある意見を提示した際、他者から否定的に見られたならば、その意見への主張は弱まりがちとなり。
提示した意見に対し、同意や賞賛が来たならば、その後も自信を持ってより強く推していけることでしょう。
このように態度とは常に一定ではなく、他者からの評価に影響されることが多く見られます。
他者からの影響
態度はそれに基づく行動によって、他者から褒められたり叱られたりすることで自然と身についていくというのは、前項で説明した通りです。
それ以外にも、他者の真似をして身につけていくケースがあります。
社会心理学では、これを「観察学習」（あるいは社会的学習）と呼んでいます。
観察の対象となるのは誰でも良いわけではなく、特定の人（モデル）となります。
モデルとして選ばれる主な条件に、以下のようなものがあります。
- モデルの行動が集団内で重要な役割や価値を持っている
- モデルが魅力的である
- 観察者とモデルの人間関係が良好である
- 観察者とモデルが出会う頻度が高い
続いて、実際に他者の態度を学習するにはどのような過程を経ることとなるかを、簡単に説明していきましょう。
- 注意過程
- 記憶過程
- 運動再生過程
- 動機づけ過程
注意過程では、観察者がモデルの際立った行動に注目します。
記憶過程では、モデルの行動をイメージと言語どちらか、あるいは両方を使って記憶します。
運動再生過程では、記憶した行動を的確に再現できるよう、必要ならば練習を行います。
動機付け過程は、身につけた行動を実際に行うか否か決定する過程となります。
それが望ましい結果に結びつくと予想した場合、実行に移されます。
人狼でも、態度形成において他者からの影響を受けることは少なからずあります。
賛否両論あるでしょうが、自分自身の態度を作る段階での自然な行動でもあるのです。
価値と態度
よく「価値観」などの言葉を用いますが、価値は人によって様々であり、その人の考えに強く根付いたものです。
価値は態度よりも心の中心に位置にあり、一部の態度は価値と関係して作られています。
たとえば、「誠実さ」に価値を置く人ならば、軽薄な人、嘘をつく人に対して否定的な態度を示しがちです。
人狼においても、勤勉さに価値を置く人は、そうではない人に対して否定的な態度を示しがちです。
ある価値が人の心に刷り込まれると、その価値は意識的、無意識的に次の基準となり得ます。
- その人を導くための基準
- その価値に関連する問題への態度の形成、意地のための基準
- 自分自身や他人の行動・態度を正しいか判断するための基準
- 自分と他人を比較するための基準
人狼において大きく関わってくるのは、2と3でしょうか。
その人の価値により態度が決められ、また、他者への評価にも繋がります。
他者を観察する際、また他者からの評価を吟味する際などに、覚えておくと良いでしょう。
態度の変容
態度は常に一定ではありません。
他者との対話を経て、意見や態度、時には価値もが変わることがあります。
このように、他者に対しての言葉による働きを「説得」といい、その為のコミュニケーションを「説得的コミュニケーション」といいます。
そして、説得によってもたらされた態度の変化を、「態度変容」と呼んでいます。
態度の変容は、何も説得によってのみ起こる訳ではありません。
たとえばあなたが本心ではないことを口にした場合、その意見に固執して、意見や態度自体が変化してしまうことがあります。
また、誰かから説得を受けた際に不快感を覚えると、その説得が逆の効果をもたらすこともありえます。
このように日常的に起こり得る態度の変容について、次に少し説明を入れましょう。
説得
説得が完了する迄には、以下の四つの過程が発生します。
- 注意
- 理解
- 受容
- 記憶保持
1注意は、説得の為のメッセージで対象の注意を引きつけること。
2理解は、そのメッセージ内容が対象に正しく理解されること。
そのためには、説得される人の理解度に応じた易しいメッセージである必要があります。
また、対象によって検討する価値のあるメッセージと思わせる必要があります。
3受容は、理解したメッセージが対象に受け入れられる過程です。
受容（即ち説得されること）は説得を受け入れて新しい態度を持つことによる報酬が、これまでの態度により得られる報酬を上回ることにより発生します。
つまり受容が発生するか否かは、新しい態度によってもたらされる報酬や、既存の態度が持つ不合理な面を考えること、また説得を拒否することで生じるリスク（説得者に拒否されること等）などによって決定されます。
4記憶保持は、説得されたことを記憶する段階です。
以上の過程をもって行われる説得ですが、成功させる為には複数のポイントがあります。
成功時、失敗時それぞれのポイントについて、いくつか解説していきましょう。
信憑性
説得者に信頼があること、また説得の内容が専門的である場合に、発信メッセージに「信憑性」が生まれます。
信憑性が高いほど、説得は効果的と言われています。
信憑性が高いほど、説得を受け入れた際に生じる報酬に期待が見込めるからです。
一般的に専門家ほど説得時の信憑性が高く、説得に成功されやすいと言われています。
人狼においては、他者から白く見られている人ほど説得力が増す傾向にあります。
また、話が流暢なこと、論理的なこと、わかりやすいこと等、発言の内容がそのまま説得内容の信憑性に関わってきます。
受容範囲
説得によって相手を真逆の意見に持っていくことは、とても難しい。
でも、相手の意見とは僅かに異なる類似の意見へと変化させることは、そこまで難しいことではありません。
説得の内容は、最初からいくつかの範囲にわかれています。
| 拒否範囲 | ノン・コミットメント | 受容範囲 | 自分の意見 | 受容範囲 | ノン・コミットメント | 拒否範囲 |
| ↑ | ↑ |
自分自身の意見と同じものであれば、そもそも説得の必要性はありません。
説得は自分の意見と違うものだからこそ生じる行動です。
とはいえ、全ての意見が受け入れられる訳ではありません。
説得を受けた際、自分の意見に近いとそれを受け入れられると判断し、実際以上に自分の意見に「似ている」と判断される範囲があります。
これを「受容範囲」といいます。
逆に自分の意見と異なっていると、それを受け入れられないと判断し、実際以上に「異なっている」と判断される範囲もあります。
これを「拒否範囲」といいます。
説得メッセージが拒否範囲に入ってしまうと、自分の意見と大きく異なっていると判断され、その考えが受け入れられにくくなってしまいます。
時には、相手の考えをより意固地なものにしてしまうこともあるでしょう。
説得を成功させる為には、受容範囲を見極め、その中で最も相手の意見から遠い（説得側の意見に近い）範囲のメッセージを送ることが大事です。
（受容範囲の端。図の下にある矢印の部分参照）
夢中になっている人、自分の意見に意固地になっている人には、説得がなかなか効果を及ぼさなかったりもします。
そのような状態になっている人は、受容範囲が狭まり、その分だけ拒否範囲が広がっていることが原因と考えられます。
狭い説得範囲を見極めるか、あるいは相手を落ち着かせる等の対処を考えてみましょう。
心理的リアクタンス
前項にて拒否範囲の話をしましたが。
それ以外にも、人間は自分の自由を制限・禁止されていると感じた場合に、心理的な反発状態を起こして相手の意見を拒否してしまうことがあります。
この状態を「心理的リアクタンス」と呼びます。
どのような行動に「自由」を求めるかは、人によって異なってきます。
たとえば、「受験勉強をしなさい」と言われた場合。
それをするべきと考えている人は、そこに自由は求めず、心理的リアクタンスは発生しません。
勉強そのものを、やるもやらぬも自分の自由と考えている人は、そもそも勉強を強いられることに対して心理的リアクタンスが発生するでしょう。（＝拒否）
それ以外でも、受験の為ではなく自分の為に勉強をしたいと考えている人は、受験のためと制限を課せられることに対し、心理的リアクタンスが生じる可能性があります。
心理的リアクタンスを強めるには、以下のような条件が考えられます。
- その行動（態度）の制限・禁止が非合法的であると考えられた場合
- 制限・禁止された行動（態度）が、その人にとって重要である場合
- 制限・禁止された行動（態度）の範囲が広い場合
これらの条件が当てはまるほど、相手からのリアクタンスはより強くなります。
人狼においても、よく考察やGSを提出するようにと言われた際に、反発を覚える人がいます。
考察を求める側は「それがなければ、相手の判断が難しい」と考えての要望でしょう。
そこで反発を覚えてしまう人は、考察で喉を使うか、あるいは対話で相手を探っていくかは自分の自由であると考えている傾向が強いようです。
このように、自分では思わぬところで反発を受けてしまう場合は、考え方、価値観の違いによるところが原因の場合があります。
相手から反発を受けた場合に、原因を探る際の手がかりの一つとして覚えておいていただければ幸いです。
認知的不協和
人から意見を求められた際。
時には、自分の本心とは違った意見を表明してしまうことがあります。
実際は反対だったのに、周囲に流されて賛成と言ってしまうといったケースは、現実社会でもまま見られます。
このように自分内に矛盾を抱えた状態のことを「認知的不協和」と呼びます。
認知的不協和は不快感を呼び起こしやすく、その不快感を解消する為に、自然と自己矛盾の解消に向かう傾向があります。
つまりは、既に表明した意見を変えられずに、そのまま意見を変えてしまうという事態（態度変容）が起こり得るのです。
この現象は「不十分な正当化」とも呼ばれ、意見を変えた当人にすら満足のいく理由説明がつかないことが多いです。
この理論に沿って考えると、本心と違っていても最初に頷かせさえすれば、以後相手の意見を変えられる可能性が出てくるということでもあります。
段階的要請法
段階的要請法とは、心理学で「フット・イン・ザ・ドア」と呼ばれるテクニックです。
最初はまず小さな承諾から取り付けていき、次第に大きな要請を承諾させていくという手法です。
大きな承諾を最初に求めるより、最初にまず小さな承諾を取り付けた方が、後からの承諾も受け入れられやすいと言われています。
たとえば、訪問販売をする場合。
最初から商品の売り込みをはじめるよりも、まずは「挨拶だけでも」と玄関を開かせて、上がり込んで話をはじめることが大事です。
話を聞いて貰うことを受諾させ、玄関を開けてその中に入れたならば、そこから話を、そして要請を発展させていき、大きな承諾に向けて説得を行うのです。
承諾先取り法
誰しも、他者からどう見られるかは、気になるものです。
そして、それを保持すること、つまり一貫性を持って動きたいと思うのは、自然なことでもあります。
言ってることをすぐ掌返すようでは、頼りにならない人と思われてしまうでしょう。
私達の心の中では、常に「一貫性を保とうとする」心理が働いています。
一貫性を保とうとする心理が働くと、どうなるか。
二つの映画どちらを見るかで悩んで、映画Aを見て、そして面白いと感じた場合。
二つの映画を見て判断していなくとも、あたかもそうであったかのように「Aは面白いものだ」という印象を抱いてしまいがちです。
他に同じように二つの映画どちらを見るかで悩んでいる人を見かけた場合、貴方はきっと映画Aの良さを説くことでしょう。
このように、自身の選択、そして言葉によって態度が決められるということが、個人の中でもよく起こります。
承諾先取り法とは、これらの一貫性に伴う心理を用いて、先に承諾を取り付けてしまうことを言います。
一度態度を表明してしまえば、それを翻すには労力がいります。
さらには、自身が言ったことに対し整合性を保とうとする「一貫性を求める心理」からも、先に受諾を得ておくことは効果的となるのです。
他、譲歩的要請法とかコントラストの原理とか、色々ありますが……詳細は参考文献にてお調べいただければ幸いです。
人狼における説得テクニック
説得を行うにしても、様々なテクニックがあります。
紹介したいくつかの案件を元に、説得内容を考えてみましょう。
例1）G編成で占3-霊1の陣形。
占い師の決め打ちを前提に、偽占から吊りを検討している状態と仮定します。
自分自身は占い師Aを残したいと考えていて、説得対象は占い師Bを真と考えている場合。
◇相手の意見は？
→占い師Bが真
◇推定される相手の拒否範囲は？
→占い師Bを吊る/B以外の占い師を真と決め打つ等
◇推定される相手の受容範囲は？
→占い師の決め打ちは明日に持ち越し、今日は互いに偽と考えている占い師Cを吊る
上記を元に占い師C吊りを持ちかけたならば、スムーズに説得が行えることでしょう。
翌日のことは、また翌日に考えることにはなりますが。
（もし説得対象が邪魔だったなら、襲撃してしまっても良いのです。そして、対象が襲撃されたことを「やはりBが真だったのではないか」という意見が出てくるよりも先に「C吊りに納得してたあいつが襲撃された。やはり、Cは偽で良かったのでは」と真実とは別部分のみ抽出して浸透させても良いのです。等々、そういった部分はまた別の機会に……）
周囲から下手に「Bは偽だろう、何を言ってるんだ！」などと説得対象を刺激してしまえば、対象者が意固地になって、その受容範囲が狭まってしまう可能性があります。
説得を第一に考えるならば、相手の受容範囲を狭めることなく、また両者ともにメリットがあり、相手の拒否範囲に入らない説得からはじめることが重要です。
例2）灰Aの白を取っていない灰Bに、灰Aが白だと説得したい
まずは、小さなところから同意を求めてみましょう。
「Aはいざ話してみると、結構その内容がわかる気がする」
と持ちかけたり。
「話してみると、楽しそうなのが伝わってくるんだよな」
等と、Aから取れるプラス印象（白黒ではない）部分から、まずは持ちかけてみましょう。
相手の意見から遠い内容を持ちかけては、拒否範囲に入ってしまう可能性が生じます。
それよりは、白黒関係ない印象論からで良いので、相手の頷きやすい小さな肯定的印象論からはじめるのがコツです。
一度同意を得られたならば、最初の同意内容に類似したAの肯定的意見を重ねて持ちかけるようにしましょう。
Bには、一度類似した印象に同意したという実績があります。
そこから意見を変更させる為には、前に頷いた部分に反して否定的な意見を差し挟む必要が出てきます。
もしBがそのまま段階的要請法と認知的不協和の解消により、Aに白を取ってくれるならば、それで良し。
此方の誘導に乗らず、やはりAは白くないと反転するならば、（そこまでに認めさせた内容の積み重ねにもよりますが）変遷が黒いとしてBの矛盾点として指摘材料にすることも出来ます。
喩えがなぜか人外視点なのは、ご容赦ください。
自己開示と自己呈示
自己開示とは、自分の真の姿を相手に示すことを意味します。
開示には、幅と深さが必要です。
幅とは自己開示をする話題の範囲であり、深さとは話すことが表面的がどうかということを指します。
簡単な自己紹介であれば浅い開示であり、自身の内面を打ち明けることは、比較的深い自己開示となります。
対人関係の進展に伴い、自己開示は広くなると同時に深くなっていきます。
一方、自己呈示とは、自身が有利になるように自分のことを相手に示すことを意味します。
以下にいくつか、自己呈示の手法を紹介していきましょう。
自己宣伝
自身の美点、長所を示すのが、自己宣伝です。
ただし、自己宣伝は露骨になると相手の心象を損ねる可能性もあります。
特に、日本では自己卑下が好まれる傾向もあり、自己宣伝は使いどころを考えた方が良いでしょう。
取り入り
相手に好感を与えるように、本来の自分とは異なった行動を取る。
典型的な例として、相手への同調、同意や、また反対意見をあえて言わないなどがあげられます。
栄光浴
栄光浴とは、評価の高い人物や集団等と自分が近い関係にあると主張することを意味します。
「新ドラマに出演が決まった俳優Aは、中学校時代の同級生なんだ」
「母校が甲子園に出場するんだ！」等々。
こういった栄光浴は、自身への評価が低くなっている時に生じやすいとも言われています。
また、栄光浴とは逆のパターンで、悪評高い人物や集団と自身が遠い関係にあるという主張もあります。（汚名回避）
悪評の対象を自身から遠ざけることで、自己評価の低下を防ごうとする心理過程です。
セルフ・ハンディキャップ
セルフハンディキャップとは、重要な場面に先立ち、予め自身の能力が存分に発揮出来ない、あるいは自身に不利な条件があると主張しておくことを言います。
そうすることで、自分の力が低く評価されることを避けようとすることを示します。
「今回全然テスト勉強してないんだー」と言ってテストに臨んだりといったことは、日常生活でもよく見られます。
ただし、こうしたセルフ・ハンディキャップが実際に効果を及ぼすとは限りません。
時には悪い印象を与えるとも言われています。
自己呈示の機能
これらの自己呈示には、自分を良く見せることによって有利な立場を獲得すること、また自尊心を高めるといった効果が言われています。
人狼ゲームにおいては、自身をよく見せることで自己の立ち位置を確保すること、自分を良く見せることなどが考えられます。
誤解
コミュニケーションは常に成功する訳ではありません。
失敗した例についても見てみましょう。
A、送り手の意図した通りに伝わらなかった場合
歪んで伝わった、伝えるつもりのないことが伝わった等のケース。
B、事実とは異なる風に受け手が推論・認識した場合
C、受け手への配慮を欠く伝え方だった場合
これらの「誤解」がどのように生じるのか。
以下に少し例をあげてみます。
1、聞き間違いによる誤解
2、意味や概念の取り違え
3、数量に関する誤解
特に「ちょっと」「少し」等の曖昧な言葉による誤解は多く見られます。
4、指示語等に関する誤解
「これ」「あの」「例の件」「あの人のこと」等々、不明瞭な指示語によるもの。
5、推意に関する誤解
明言しない範囲を推し量った結果、誤解を招くこともあります。
6、対人配慮に関する誤解
相手に親しみを見せようとした結果、馴れ馴れしいと受け取られたり。
褒めたつもりが皮肉と取られたり等々。
透明性錯覚
誤解とは逆に、相手に伝わっていないのに、伝わっているような気になることも多々あります。
自分の状況や考えなどが、実際以上に相手に知られていると推測してしまうことを透明性錯覚と言います。
人狼においても、狼が自身が黒であると知っているが故に、必要以上に相手に自分が黒く見られているような気になってしまうケースが多々見られます。
実際は相手には透けていないのに、必要以上に「相手に透けている」と捉えてしまうのです。
知識の呪縛
透明性錯覚と近い現象で「知識の呪縛」と呼ばれるものもあります。
ある事柄について知識を持っていると、知識を持たぬ人の考えが上手く察することが出来なくなることがあります。
自身が知識を持っているが故に、そのことを除外して考えることが難しくなってしまうのです。
人狼においても、知識を持つ経験者が初心者の考えを推測出来ないことが多々見られます。
対人レベル
対人レベルは、人対人の関係性や、それに伴い働く心理に関する部分です。
日常的に人と接する中で、私達が自然と取る行動の裏にどんな心理が働いているかを見ていきましょう。
対人魅力
私達は日常的に人に好意を持ったり、誰かに対して様々な感情を構築しています。
相手にどのような感情を抱くかは、「対人魅力」が大きく関わってきます。
対人魅力の要因は様々ですが、一例として、
- 環境要因（度々顔をあわせることで好意を持つ 等）
- 生理的覚醒（不安・恐怖を感じている時に好意を持つ 等）
- 外見の要因（相手の容姿が優れていると好きになる 等）
- 個人の特徴（相手の態度が自分に似ていると好きになる 等）
これらがあげられます。
以下に各ケースの例をいくつか説明していきましょう。
単純接触効果
よく顔をあわせる相手には、直接言葉を交わさずとも、親近感を覚えやすいものです。
遠くで暮らす人よりも、近くに暮らす人に対して親しみを抱きやすい。
近くに暮らす人とは、繰り返し接触が行われる可能性があるからです。
この「繰り返しの刺激」が、好印象を呼び起こす一つの作用となります。
短い間隔で同じ人物と会うことによって、相手への好意がより増していく。
これを「単純接触効果」といいます。
親和要求
多くの人は、常に誰かと共に仕事や日々の生活を送っています。
また、そうありたいという欲求を持っています。
これを「親和要求」と呼びます。
親和要求は社会の中で生活をする上で、大切かつ自然な要求なのです。
親和要求は、不安を感じる場合には増大する傾向が見られます。
たとえば、教室で授業を受けている最中、外から衝突音と悲鳴が聞こえてきたとします。
貴方は、そして教室に居る人達は、どうなるでしょうか。
このような不安や緊張下に置かれた心理を、心理学者のシャクターは以下のように分析しています。
- 逃避
- 状況の認知的明確化
- 直接的な不安解消
- 自己評価
1、逃避
誰かに話しかけることで、緊張や苦痛を軽減。
2、状況の認知的明確化
他の人と話すことによって、何が起きているかの見通しをたてる。
3、直接的な不安解消
互いに慰め、元気づけあう。
4、自己評価
他の人々を参考にして、自分の行動を判断・評価する。
これらの効果により、恐怖や不安な状況下に置かれた時には、他者への親和要求がより高まるのです。
社会比較過程理論
誰しも会話の中で共通点を見つけると、会話が盛り上がりやすくなることでしょう。
会話が盛り上がれば自然と相手への印象も良くなり、逆に会話が弾まない場合はお互いに気まずい感情を抱きがちです。
このようなことから、態度の類似性が魅力を引き出すのではないかと言われています。
会話の中で態度の類似性の割合に基づいて、相手を好きか嫌いかを判断するのです。
態度の類似がなぜ好意に結びつくのか。
重視されている「社会比較過程理論」について説明していきましょう。
人は、自分の意見が正しいと思いたがる傾向が強いです。
正しいということを確認するために、他の人の意見（即ち態度）に目を向けます。
ある人が自分と同じ意見を抱いていたり、同意してくれた場合は、自分の意見が「正しい」という判断の裏付けが出来ます。
このように、自分の判断の肯定者として、態度が類似した相手には好印象を抱きやすく。
逆に自分の意見を否定されたと感じた場合は、相手にマイナス印象を抱きやすくなるのです。
社会的浸透理論
相手に好意を持つ切欠となるものは、態度の類似性だけではありません。
重要であると考えられているものに、「自己開示」があります。
「社会的浸透理論」では、互いに自己開示をしていくうちに、表面的な相互の自己開示からより深い相互の自己開示へと進んでいくと考えられています。
最初は自分自身のことを表面的にしか話さず、相手からもわずかな話しか聞けません。
しかし、最初の出会いで好印象が持たれると、お互いの自己開示がより深くなっていきます。
親密さが増すほど、互いに見栄を張ったり気取ったりする必要がなくなり、開示に虚偽がなくなってより深い開示へと繋がっていきます。
これらは「信頼感-好意仮説」と呼ばれています。
相手から自己開示を受けると、自分が相手に信頼されているからだと理解し、開示した相手に対しての好意が増す。
それに伴って親密度も増し、自分側からも自己開示を行うのです。
好意の返報性
好意を深め合いたいと思う相手が居るならば、自分も相手に好意を持ち、高く評価しているということを表明することが有効です。
人から褒められたり、評価されたり、信頼または尊敬されることは、多くの人にとっては心地良いことです。
それが事実と異なる肯定的評価、いわゆるお世辞であったとしても、ときには心地よく受け取られ、そのような気分にさせる相手に対し、好意を持つようになります。
このように、人は自身を肯定的に評価してくれる相手に対し、好意を抱きやすいと言われています。
このことを「好意の返報性」と呼びます。
他の人に評価されたいという欲求を満たしてくれる相手に対し、好意的な感情を持つようになるのです。
相手から好かれていると感じた場合には、そうではない場合と比べ、行動に変化が生じるとも言われています。
ただし、それらは常に絶対ではありません。
自身を否定的に評価している人に対しては、良い効果が現れないこともあります。
一般的に、自分自身を肯定的に理解している人は、肯定的な評価を望みがちです。
が、自分自身を否定的に理解している人は肯定的な評価を望まない場合もあり、肯定的評価が常に好感を生むとは限らないことも、覚えておいてください。
援助行動
援助行動とは、人を助ける行動と、それに伴う心理のことです。
人を助ける心は素晴らしいものですが、その行動が全てにおいて反映される訳ではありません。
では、どのような時に人を助けたいという心理が働くのでしょうか。
- 緊急事態に注意する
- 緊急事態が発生したと判断する
- 援助を行うことが個人的責任であると考える
- 援助の仕方を知り、出来るかどうかを判断する
- 援助を行うことを決定する
実際に援助を行うまでに、以上の五つの段階を踏むと言われています。
1、緊急事態に注意する
突発的な事態へと、注意を向ける。
2、緊急事態が発生したと判断する
状況を正しく「異常事態だ」と判断する。
不要に騒ぎ立ててしまわぬよう、多くの人はまず事態を観察し、緊急事態が実際に発生しているかどうかを見極めることからはじめます。
3、援助を行うことが個人的責任であると考える
援助を行うことが自分自身の責任であると判断する。
4、援助の仕方を知り、出来るかどうかを判断する
相手を助ける為に何が必要かを考え、それが自分に可能か否かを判断します。
警察に電話をかけるなどは誰でもできますが、たとえば誰かが溺れている場合などは、自分が泳げなければ援助行動を取ることが出来ません。
相手を助ける為に何をするべきかを考え、自分にそれが実行できるかの判断を行います。
5、援助を行うことを決定する
1から4が満たされても、たとえば犠牲者の血によって衣服が汚れる可能性があるなど、他の要因によって援助行動に躊躇する場合などもあります。
条件を満たし、実行に踏み切った場合に、援助行動は実際に行われることとなるのです。
援助する人、しない人
実際に援助行動を取るかは状況他様々な要因により決定されますが、どのような場合でも、援助行動を取りやすい人（利他的な人）というのは、確かに存在します。
そのような人の特徴として、以下があげられます。
1、自分のことを他人に共感でき、責任感の強い社会の一員であると考えている人。
自分自身の行動をきちんとコントロールでき、他の人によい印象を与え、合法的に行動し、そして人々に寛大であると考えている。
2、世の中は公平であると考えている人。
良い行いは酬われ、悪い行いは罰せられるべきであり、それが正しく行われていると考える。
3、社会的責任を強く感じている人。
他の人を救う為に全力を尽くすべきと考えている。
4、自分自身の力を信じている人。
5、利己的ではない人。
こうした特徴を持つ人が、どのような時でも援助行動を取りやすいのです。
人狼においても、援助行動を求めやすい相手はいます。
対象との関係性も大きく関わってきますが、援助対象に白を取っている人、そして白と思う相手が吊られることに抵抗を持つ人、自身の考察に自信を持つ人などにその傾向が強いようです。
援助される人、されない人
援助する側にもしやすい人とそうでない人がいれば、援助をされる側にも、されやすい人とそうではない人がいます。
たとえば、貴方が道端で気絶している人に気がついたとします。
その相手がだらしのない格好で一升瓶を握りしめていた場合と、きちんとした清潔な身なりで打撲痕などが見られて倒れているのとでは、どちらの方が援助行動を取ろうと思うだろうか。
多くの場合は、後者の人を助けようとすることでしょう。
このように、自分自身の無責任、あるいは不注意によって生じた自己責任の案件に対しては、自分自身で解決するべきと考えがちです。
緊急事態に陥った責任が当事者自身にあると援助者に判断された場合、援助側に嫌悪感が生じ、援助行動を取らないという選択肢が発生しえるのです。
逆に当事者に責任がないと判断されれば、援助者に同情が生じ、援助行動を取りやすくなります。
人狼においても、自身の発言から黒視されるのが当然と思われる人や、他者を不快にさせてしまう発言が見られる人は、吊られそうな際にも他者からの援助が得られにくい傾向があるようです。
攻撃行動
攻撃行動とは、「危害を避けようとしている人に対して、危害を加えようと意図してなされる行為」とされています。
いくつかのケースから、考えてみましょう。
観察学習
攻撃行動とは、どのように身につくのでしょうか。
他者からの影響という項目でも観察学習について触れましたが、自分自身が経験すること、あるいは他人の行動を観察することによって、攻撃行動も身についてしまうということが言われています。
たとえば子供が兄弟喧嘩をしている時に、兄が弟を叩いて言うことを聞かせたとします。
すると、この兄は暴力によって自身の我を通すことを覚え、別の機会でもまた暴力に頼ろうとします。
もし、その様子を妹が見ていたら、どう思うでしょうか。
兄の行動を真似て、自身が喧嘩になった際にも、暴力を振るおうとするでしょう。
こういった観察学習の中で、
- どのような人が攻撃対象として適切であるか
- どのような状況だと、自身の攻撃行動を正当なものとできるか
- 自分が攻撃行動を取るにあたり、適切な状況とはどのようなものであるか
これらも同時に学んで行くのです。
攻撃手掛かり
ナイフや武器などの置かれた環境においては、通常よりも攻撃行動が起きやすいとされています。
攻撃の潜在的切欠ともなるこの存在を、「攻撃手掛かり」と呼びます。
ナイフや武器などは実際に攻撃の為の道具として多く使用される為、意識下で攻撃行動と直接的に結びつきやすい。
結果的に、それらが置かれた環境では、攻撃行動が自然と促されてしまうのです。
挑発
私達が攻撃行動を取りやすくなる要因として、怒りの感情があげられます。
この「怒り」をかき立てやすいのが、挑発行動です。
どのような行動が挑発行為と取られやすいかを、以下に纏めてみました。
- 不合理な行動
- 不公平な批難
- 直接的な侮辱
- 思慮のない行動
- からかい
- 計画を邪魔される
- がみがみと小言をいう
- 欲求不満が生じる状況を作る
- 所有物に損害を与える
挑発を受けた人は、それと同等か、より強い行為によって報復を行うことが多い。
その挑発が意図的に行われたものであると判断すると、怒りの感情を抱き、多くの場合は仕返し行為に及ぶとされています。
その挑発行為が意図的でないと判断された場合には、上記と比べ、報復行為に及ぶことは少ないようです。
攻撃的なタイプ
突然ですが、以下の質問に答えてみてください。
- あなたは極端に競争的ですか？
- あなたはいつも焦っていますか？
- あなたは特に短気ですか？
上記の質問が全てYesならば、貴方は心理学者が「タイプA」と呼ぶ性格特性を持っている可能性が高い。
反対にこれらの特性を持たない人を、「タイプB」と呼びます。
タイプAの人の特徴は過剰に活動的で、競争的で、いつも時間に追われるように急いており、怒りっぽいとされています。
そして、タイプAの人は、攻撃的です。
特に重要な課題で競争している相手に対して、攻撃的になる傾向があります。
自身の目標を獲得する為に必要であると考える人に対しては、攻撃的にはなりません。
また、タイプAの人は苦痛を与えたり悩ませることを目的とする、敵意ある攻撃を行う可能性が高いとも言われています。
敵意帰属バイアス
同じ行動を取った場合でも、善意として受け取られることもあれば、相手を不快にさせてしまうこともあります。
このように相手によって隔たりが起きる原因の一つに「敵意帰属バイアス」があります。
からかうつもりなどなかったのに、相手をからかったと取られてしまう場合。
自身の言い方に問題のある場合もありますが、中には「受け取り側が言葉の中に悪意を見出してしまう」ことも考えられます。
これが敵意帰属バイアスの正体です。
他者の発言や行動に敵意を見出しやすい人は、それだけ相手からの行動を歪めて受け取りやすく、攻撃行動に出やすいと言われています。
他者の言動に敵意を見出しやすい人ほど、攻撃的行動を取りやすいのです。
人狼ゲームを円滑に進めるために
議論は人狼ゲームの華です。
ですが、過度な攻撃行動は同村者の心象を損ない、時にはゲームの崩壊をも招く恐れがあります。
人狼ゲームを円滑に、そして楽しくプレイする為には、極力過度の攻撃行動を控えていただきたいと切に願います。
では、どのようにすれば過度の攻撃行動は減るのでしょうか。
1、観察学習を起こさせない
暴言によって我を通した人は、次もまた、暴言によって我を通そうとします。
大事なことは、それを許さないこと。
毅然とした態度で、相手に反論ないし説明を行いましょう。
暴力的な態度が常に通じる訳ではないと、相手に理解させることが大事です。
2、攻撃手掛かりを置かない
つまりは、暴言を行いやすい環境を作らない。
場が荒れていれば、それだけ強い言葉を使いやすくなります。
一人一人が、自身の言葉に少しずつ気を遣っていただければと思います。
3、誰かを挑発するような言動を取らない
挑発は攻撃行動を呼んでしまいがちです。
誰かにそのような行動を取られた場合も、深呼吸でもして落ち着いてください。
それに乗ってしまっては、相手の思う壺なのですから。
4、自身のタイプを知る
貴方は攻撃的なタイプに属してはいませんか？
もしそうならば、自身を知ることで、少し落ち着いて議事に取り組んでみましょう。
自分の傾向を知れば、その対策も自然と取りやすくなるはずです。
気が急く時には、深呼吸をして。
感情が昂ぶりそうな時には、一つ気分転換でもしてみてください。
5、発言を素直に受け止める
自分自身が敵意を持ってしまえば、他者の発言を見ても、そう感じてしまいがちです。
誰もが敵意を持って接している訳ではありません。
敵意ありきで考えず、他者の発言を素直に受け止めてみてください。
相手が必ずしも悪意を持って接しているとは限らないのですから。
もし相手が意図的に挑発行為を取ってきたのならば、相手に乗せられることなく、落ち着いて返すことをオススメします。
悲しいことに、村でのいざこざというのは、なかなか無くなるものではありません。
それでも、全員が少しずつ努力をすることによって、よりゲームを円滑に進めることが出来るようになります。
誰かが不快な思いをするケースが減り、皆で楽しく村に取り組めますように。
集団レベル
社会的影響
私達は日々、色んなところで影響を受けています。
また、時には自分が他者に影響を与えることもあるでしょう。
このように社会生活を送る上で発生する影響のことを「社会的影響」と言います。
同調行動
エスカレーターでは、立ったまま到着を待つ人と、上を歩く人が居ます。
立つ場合に右側と左側どちらを選ぶかは、地域によって違うとも言われています。
ところで。この「エスカレーターで皆が決まった方に立つ」という行動は、いつ、誰が提唱して始まったのでしょうか。
このような「明確に指示された訳ではないが、なんとなく他者と同じ行動を選択する」という事象を「同調行動」と言います。
説得は誰かが意図して影響を与えようと働きかけますが、この「同調行動」には、それが存在しないケースが多くあります。
知らず知らずのうちに、私達は皆が似通った選択を取っていることがあります。
社会にある程度共通した認識が持たれている、いわば「暗黙の了解」がある場合、自然とそれに従って行動を取ります。
このような「行動の基盤となるべきルール」を「集団規範（社会規範）」と言います。
同調行動の中には、このような集団規範が存在せず、通例となっているものもあります。
上記のエスカレーターの話も、根拠の不明瞭な同調行動の一例です。
影響の受け方
明確な基準がある訳ではないのに、なぜ人にあわせるという行動が多く見られるのか。
基本的には、「人に好かれたい」「正しくありたい」この二つの欲求が関わっていると言われています。
また、同調の仕方にもいくつか種類があります。
1、追従
人狼では馴染みのある言葉ですが、ゲームで言われているものよりも更に細かく定義がされています。
心理学で言う「追従」は、他者から好意的な評価を得る目的で、実際には自身の考えが変わっていないにも関わらず、周囲に同調することを言います。
この場合、該当の集団内では従順になるが、そこから離れると本来の自分へと戻ります。
追従は表面的な同調でしかないのです。
2、同一視
影響を受ける人が、影響を及ぼす人のようにありたいと願う個人的欲求からくる同調行動です。
同一視では考え方そのものが受け入れられるというより、影響を受ける側が影響をもたらす側に近づきたい、またそのようにありたいという欲求を満たす為のものであり、対象への憧れがなくなれば、また元に戻ります。
3、内面化
他の人から取り入れた考えに納得し、取り入れることを「内面化」と言います。
内面化は「正しくありたい」という欲求に基づいて行われることが多く、影響を与えた人が信頼出来る確かな情報を主張した場合に内面化が多く発生します。
他二つとは異なり、一度ある意見が内面化されて自分のものとして取り入れられると、変化はされにくいと言われています。
少数意見が影響を及ぼす場合
影響の多くは多数意見や目立つ人物により発生しますが、時には少数による意見が全体に影響を及ぼすこともあります。
そういった「少数による全体への影響」は、どのように起こるのでしょうか。
少数が多数に影響を及ぼす場合、第一に、少数派の意見が統一されていることが重要です。
意見が割れていると、それだけで影響力が弱くなってしまいます。
第二に、少数派は「頑固」で「独断的」と思われることを避ける必要があります。
頑固で独断的であると受け取られた場合、その意見に対して真面目に取り合われなくなる可能性が高くなってしまいます。
上記に加え、社会的、情勢的な背景が有利に働く場合もあります。
少数の意見が現在の社会的な流れと一致するならば、効果はより大きくなることでしょう。
社会的手抜き
10人で御輿を担ぐ場合。
一生懸命に支えている人は2人。
ただ肩にあてている人が6人。
ぶら下がっている人が2人と言われているそうです。
人が複数居る時は、個々で同じ作業に当たるよりも、怠ける人が現れやすい。
この現象を「社会的手抜き」と言います。
社会的手抜きの防止として、以下の対策があげられます。
1、個人の貢献度がわかるようにする
成員が集団の中に埋没して責任が分散されることが、社会的手抜きの発生要因と考えられます。
個々の作業が埋没してしまわないよう、それを明らかにすることが大事です。
2、課題に対する自我関与を高める
興味がある、または挑戦したくなる課題を与えることで、手抜きが少なくなります。
3、他者に対する信頼感を持つ
自分がしなくても、誰かがやってくれる。
または、皆が真面目にやっていないのに、自分だけがきちんと作業をするのは馬鹿らしい。
そういった感情からも、手抜きが生じる可能性があります。
集団内の関係性を良好に保ち、それぞれのモチベーションを確保することが大事です。
4、作業結果による更新情報を明らかにする
結果を明示することにより、その情報自体が動機付け、並びにパフォーマンスの向上に繋がります。
集団
単に人が大勢居合わせただけでは、集団とは定義されません。
集団とは、
- 直接的にせよ間接的にせよ、互いに影響を与え合う（またはその可能性がある）
- メンバーの関係が安定し、一定の期間継続する
- メンバーがいくつかの目的を共有している
- メンバーそれぞれの地位や役割がハッキリしている
- メンバーが自分自身をその集団に属していると自覚している
これらの条件の内いくつかを満たす、2人以上の集まりを集団と呼びます。
そして、合う条件が多ければ多いほど、集団らしいと考えられます。
集団意思決定の問題点
集団意思決定には、いくつかの問題点が指摘されています。
- 過去の成功体験がある場合、既に現実にはあわなくなっていても、それにしがみつく
- あることに費用や時間やエネルギーを費やした場合、無駄であることがわかっても途中で止められない
- 全体的な傾向よりも、瞬間的な情報に基づいて判断する
- 人々の行動を解釈するのに、状況を無視して性格に帰属する
- 手近な目立った情報のみに基づいて判断する
- 最初から好みの選択肢があり、それに合うような情報にのみ注意が向く（確証バイアス）
- 成員が異なった情報を所持していてもそれについては議論されず、共通して持っている限られた情報のみが顕在化し、それについてのみ議論され、全体の情報が十分に生かされない（共有情報バイアス）（→後述）
共有情報バイアス
共有情報バイアスとは。
個々が異なった情報を持っているにも関わらず、それを表明していないが故に議論されることがなく、情報が埋もれてしまうことを言います。
人狼においても、個々が持っている情報が十分に吟味されぬままに決定がなされてしまうことがあります。
たとえば、偽と思う占い師から吊ろうという議論をしている時。
占い師Aに対して、村人Bは「真か狂だろう」と思っていて、村人Cは非狂要素を取っていたとしましょう。
全体的な判断として「偽っぽい」と言われていて、Bの考えもCの考えも表に出なければ、そのまま占い師Aは偽視を理由に吊られてしまうことでしょう。
でも、BがCの持つ非狂理由を知れば、Aが真の可能性も検討出来たかもしれない。
こういった「出さなかったからこそ検証されずに終わってしまう」ことは、どの分野でも起こり得ます。
共有情報バイアスの発生理由として、「人は心の中で決めたことを簡単には変更したがらない」ということがあげられます。
前述の例で言うならば、既に「Aは偽っぽい」と思われてしまえば、その内訳要素の扱いは軽んじられがちです。
もう一つの発生理由として、「皆が知っている事柄について議論する方が、議論が弾んで気持ちよくなれる」と言われています。
他者との共感を得やすいのが、既に共有された情報となるが故に、それ以外への言及が減ってしまいがちなのです。
これらの事態を発生させない為にも、非共有情報を掘り起こし、そちらに目を向けさせ、議論させることが大事です。
集団極性化
集団意思決定の問題点として、「結論が極端になりやすいこと」があげられます。
これを集団極性化と言います。
集団極性化を引き起こす要因に、社会比較過程理論があります。
他者と比較して（議論方向が一致する範囲での）一歩進んだ鋭い意見を出し、極端な立場を表明することで、他者の心象を良くし、注意を引き、ひいては自身の位置を高める効果があるからです。
どっちつかずのハッキリしない意見より、極端な意見の方が、近しい考えを抱く他者からは魅力的に思われやすいのです。
もう一つの要因として、説得議論があげられます。
これは集団の持つ価値観に添った議論が自然と多くなり、話をするうちに更に集団構成員がそれに説得されていくというものです。
これら二つの仕組みがあわさり、集団極性化が発生すると言われています。
集団的浅慮
集団での意思決定の問題点として、結論が極端になるだけでなく、愚かな結論を下してしまう可能性があります。
これを集団的浅慮と言います。
集団的浅慮は問題解決の場面において、集団構成員が集団維持（集団の一体感や心地よい雰囲気の維持）にエネルギーを注ぎすぎるあまり、パフォーマンスに十分な注意が向かなくなり、解決の質が低下すると言われています。
●集団的浅慮の症状
1、集団成員相互の同調圧力
議論することはとても大事だが、集団的浅慮が発生するような場では、同調圧力により異議を唱えることが難しくなってしまう。
2、自己検閲
集団による同調圧力によって異議を唱えることが封じられるより先に、自分自身でそのような意見を述べることを差し控えてしまう。
3、逸脱意見から集団を防衛する人物の発生
集団と異なる意見や、その主張者が台頭してきそうな時に、それらから集団を守ろうとする人物が発生する。
集団に添わない意見を否定したり、その主張者を害悪と位置づけたり、圧力をかけて対象者の意見を封じようとします。
4、表面上の意見の一致
協議中は全員が同意しているように見えても、内心ではそれぞれに不満を抱えていることがある。
そういった内面が表に出ず、多くのメンバーが「他の人は皆賛成している」と思い込むこと。
5、無謬性の幻想
メンバーが「自分達は選ばれた優秀な人間であり、失敗することなどない。自分達が一致団結すれば、障害など容易に乗り越えられる」と思い込んでしまう。
6、道徳性の幻想
メンバーが「自分達は究極的な理想を実現させる為に行動しているもので、その為ならば少々の犠牲や非倫理的行為も許される」と考えてしまう。
7、外集団に対する歪んだ認識
自分達以外の集団に対し、不正確で否定的な認識を持つ傾向がある。
8、解決方略の拙さ
上記のような症状が積み重なれば、必然的に解決の質が低下する。
実際にはいくつもの解決策が取れるのに、全体を見通すことをやめて、自分達に不都合な意見には目をつむり、都合の良い部分にばかり目を向けてしまう。
このような症状のうち、1～4までは集団機能概念の集団維持に関わるものであり、5～7は課題遂行（パフォーマンス）の容易さの幻想を集団成員に抱かせるものであり、さらに8はパフォーマンスの低下に関するものと解釈されています。
●集団的浅慮の原因
1、集団凝集性の高さ
優秀な人材が集まり、その中で議論することを誇りに持ち、互いに親密で雰囲気も良い。
そのような中で対立意見を戦わせることは、良い雰囲気を壊すことにも繋がりかねない。
よって、本気で議論することを差し控えてしまう。
2、孤立
情報の共有が満足になされなかったり、決定が独りよがりのものになってしまう。
3、過度のリーダーシップ
一人が中心になりすぎる場合、自由な議論はリーダーが促した場合にのみ行われ、リーダーの意に添わぬ意見は封殺されがち。
4、問題解決のためのストレス
●集団的浅慮を防ぐ方法
集団的浅慮を避ける為には、反対意見を躊躇することなく述べられる雰囲気を作ることが大事だと言われています。
そのために、
- リーダーはメンバー全員の発言が終了するまで、自分の意見を表明しない
- なるべく多くの選択肢を用意し、それぞれの良い面・悪い面を徹底的に議論する
- 批判的意見を歓迎する
- リーダーなしの会合開催を促す
- 誰かにあえて反対意見の提示を役割として持ってもらう
などといった方法が、一例として考えられます。
何より、上述のようなバイアスがかかることを、メンバー全員で意識し、正しい決定に辿り着くよう思考を重ねることが大事です。
リーダーシップの原理
アメリカ陸軍マニュアルでは、下記の11のリーダーシップの原理が挙げられていると言われています。
- 自分自身を知り、自己啓発を続ける
- 戦略や戦術に精通する
- 進んで責任を引き受け、また自分の行為の結果に責任を取る
- 時宜に適った決定をする
- 身をもって範を示す
- 部下を知り、その精神的・身体的健康に気を配る
- 部下に率直に情報を伝える
- 部下に責任感を植え付ける
- 課題を自家薬籠中のものにする
- チームをまとめる
- 部下集団の能力に従って課題を遂行する
1～4はリーダー自身の行動に関連し、5～11は他者への働きかけに関連するもの。
そのうち5～9は部下へのもの、10と11は集団全体を意識したものです。
この中で4は意思決定、5と7はコミュニケーション、6と10はリーダーシップの配慮行動であり、9と11は課題遂行行動、8は部下に対するリーダーの権限委譲に言及しています。
このように、リーダーシップの原理はこれまでに説明した社会心理学の考えに基づいたものとなります。
後書きにかえて
かなり駆け足での紹介となりましたが、如何でしたでしょうか。
これ以外にも、項目ごと削った「群衆レベル」での事柄や、紹介した事柄の中でももっと奥深い解釈、私が触れられなかった、また未だ知らぬ数多くの知識が社会心理学の世界には広がっています。
人狼という小さな集団で議論を行うゲームの中では、これらの事象が大きく関わってきます。
また、人狼以外においても実感することは多くありますので、もし興味を持たれる方がおられましたら、一度社会心理学の世界に足を踏み入れていただければ幸いです。
（私が参考にさせていただいた文献等はこちらに記載してあります）
皆様が今後とも楽しくゲームが出来ますように。
そして、見て下さった方の世界が広がる手助けが、少しでも出来たならば幸いです。
SWBBS V2.00 Beta 8 あず/asbntby
※当サイトは日本国内専用です。
海外からの操作・閲覧は保証しかねます。
管理人 by yukari
雑用 by apricot/garnet