108 【飛び入り歓迎】赤狼署の新年会
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管理官 柊
【ヒゲダンス危機一髪】
TaLaLaLa Ta TaLa Ta TaLa Ta LaLa...
[おなじみの曲が薄暗くなった会場内に流れ出すと
立派な髭をつけたタキシードが客席から続々と立ち上がった。
ボリュームが上がるのに合わせて
あの足捌きとリズムで彼らは舞台上へと上がっていく。
列になり一糸乱れぬダンスを披露した後
アシスタントである彼らはそのまま左右へと割れ。
もっさりとした付け髭を装着したタキシード姿の柊だけが
舞台の中央に残った。]
新人刑事 ロバート
【ヒゲダンス危機一髪～舞台裏～】
[ロバートがインカムへ合図をすると、場内のあかりが落とされBGMが流れ出す。
それまで群衆に紛れていた（のかは不明だが）タキシードたちが軽やかな足さばきとともに舞台上へと上がってくる。>>12
さすが柊管理官。自ら名乗り出てダンスアシストを申し出た新人も多くいたという。彼の人望を表しているようだ。]
オーライ。1班は水風船もって舞台袖待機。
2班は準備に入れ。3班は舞台下用意、4班はカーテン裏待機。
[指示を出しながら、ロバートも舞台袖でひときわ大きな水風船を手の中でちゃぽんと揺らす。
水溶性紙で出来たタキシードを着た柊へ、タキシードたちが水風船を投げつけていく。>>13]
有能なアイドル 五代さん
【アルプスの少女ハイジOP】
[がらがらがら、と背景が舞台へとやってくる。
そこに描かれたのははるか彼方、アルプスの山並みである。
荘厳な管楽器の音が鳴る。
有名なアニメのOPのイントロとして多くの人が知っているだろう。
そして舞台端から出てくるのは――スキップをしているしいちゃんと。]
フェーフフェーフェフェフエー
フェフェフェ～フェフェフェ～♪
フェーフフェーフェフェフエー
フェフェフェ～フェフェフェェ～♪
[鼻歌（？）を歌いながら、かっぱかっぱと蹄を鳴らす五代さんだった。]
管理官 柊
【ヒゲダンスタライ危機一髪】
[会場内は空調が効いているとはいえ真冬である。
頭のてっぺんから爪先までぐしょ濡れな上
肩がほぼ露出しているドレスは寒い。
『管理官は女装よね』
別に希望して毎年女装しているわけではないのですよ…。
心中はどうあれ表情は笑みを作り
やり終えた達成感と共に退場しようと舞台端へと足を踏み出した。]
新人刑事 ロバート
【ハウルの城 ～ワイヤーアクションを添えて】
[今年はやたらと吊り下げ系が多いらしい、と。
ワイヤーアクション準備をしながら（なぜそんなものがある、とは問うてはいけないと先輩に言われた）思っていたのだが。
あ…ありのまま今、起こったことを話すぜ！
会場準備をしていたら突然拉致られた。
な、何を言っているのかわからねぇと思うが、俺も何をされたのかわからなかった……。]
はっ、えっ!?
いやいやいや、俺指名も推薦もされてな――
[われに返ってからは、全力で断ろうとしていたのだが、引っ張って行かれた先には呆然とした顔の檜山がいた。>>4
ロバートと同じぐらい、状況が飲み込めていないらしい。
「君、安全チェックで使ってただろ！」
「空を散歩するだけでいいからまかせた！」
技術部たちが喜々として用意を整えているのと、ろくにコメントもできていない檜山を見て、ロバートは小さくため息をついた。]
新人刑事 ロバート
【タイタニッ…ク？ -Jack side-】
[舞台は静から始まる。>>21
黒のロングドレスを身にまとった加納は、普段と格好が違うため別人のようだ。
両手を大きく広げた彼女を支えるように舞台に立つロバートは――心を無にしており、穏やかな表情である。
もちろんそこで甘い囁きなどはない。
なぜなら、ロバートはこのあとの展開を知っているからだ。
有名なシーンの冒頭のように見せかけて観客を油断させたあと、次に場を支配したのは、ロマンチックな音楽ではなく、閃光であった。
スイッチを切ったように舞台が闇に包まれる中、ロバートは加納から離れ距離を取る。]
管理官 柊
― 【小さな雪の女王>>77>>78】 ―
[プロジェクションマッピングと照明技術を駆使した舞台。
その上に舞う雪と吹く風は、人工といえど本物だった。
白いステージに足跡をつけながら小さな女王がくるくると舞うと
ドレスに縫いこまれた沢山のスパンコールが
照明を反射して色とりどりの彩に輝く。]
かわいいですねぇ。
[出演を終え、さすがにあの格好のままは風邪を引くと
普段の服に着替える事を許された柊は、前列で舞台を楽しむ。
タイタニック後はどこか殺気立っていた職員達（主に男性）も
目元を和ませてしぃちゃんへと声援を送っている。
素直で可愛らしいステージは、会場をすっかり虜にしていた。]
新人刑事 ロバート
【空中散歩 衝動に任せた顛末】
[準備段階から密かに狙っていた、ブラックの頭を踏みつける大☆作☆戦！ を見事にやり遂げた満足感に浸っていた。
実際は足加減しつつ顔面を踏んでいたのだが。>>109
シークレットブーツは厚底だったせいで、感覚がよくわからなかったのだ。
直後に足首をつかまれることは、想定内である。
そのまま振りほどいてやろうと思っていたが、案外あっけなく彼の手は離れていった。>>112
さしものブラックも、ゲスト席だと大人しいのだろうか。
舞台袖に戻り、己の足に薔薇のカードを見つけた時もロバートはそう考えていた。
これは次の事件現場でやり返してやるぞ、という意思表明なのだろう――と。
――そう考えた己の迂闊さを、ロバートは後悔することになる。*]
新人刑事 ロバート
【サドメイド 衝撃のサービス/準備編】
[突発的に巻き込まれたワイヤーアクションや、加納先輩FCに殺されかけた危機一髪（大福は美味しく頂いた>>87）もなんとか切り抜け、プログラムは概ね予定通りに進んでいく。
進行表に目を走らせながら指示を飛ばすのもどうにか慣れてきたロバートへ、気配もなく近づいて来たのは、加納だった。>>124
周囲を警戒するも、安全そうである。]
大福うまかったっす。
先輩、どうしました、なんかまだありますか？
[加納の出し物は終わったのでは――と思い首をかしげていると、頼まれごとをした。
ブラック踏み作戦に貴重な助言をくれた加納の頼みだ。
和菓子の誘惑がなくってもうけよう、と思う程度にこの時のロバートはまだ素直であった。]
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