[彼女の不満も、もっともだ。
萵連 杏は、喫茶同好会の会長を務めている。会員は、私と、一年生の彼女だけ。
活動内容としては、学校の空き部屋を借りて、自分たちで持ち寄ったお茶を淹れて飲み。
または、どこか気になる喫茶店に赴いて、お店のお茶を堪能して、さらに至高のお茶を極めるために研究して…。と、そこまでやっているのは会長の杏だけで、基本的にはお茶飲みの集まりだ。
今年3年生の杏が卒業すれば、会員は目の前にいる彼女の一人だけ。
ただでさえ、規定人数がたりなくて部活に昇格されず、彼女の一人になったら、存続の危機だ。それに、人数の割に広過ぎるこの部屋も、少し寂しそう。
後輩の子の悩みはそこだ。純粋にこの活動を気にっているらしいので、この事態を考えると、夜も眠れないそうだ。]