けれど―――、もう一度、彼らに逢えるなら、
[それこそ、夢物語だと溜息を咽喉に隠しても、
願わずに、或いは、縋らずにはいられない。
こんなに情けない姿を見せるなど、到底御免だが、
それでも、唯一度、もう一度、と、
希ってしまうのは、己の抱える怯懦に他ならない。
軽く首を振り、声を掛けてくれる庭の管理者にも、
眼差しをゆるく投げかけた。>>+18]
先日、君から受けたドクターハラスメントが利いてね。
夏に息を切らしている訳じゃないよ、青白い君であるまい。
ただ、これから幾度も巡るだろう季節の過ごし方を考えれば、
途方もなくて、目通しが立たず、多少気も滅入ると云うものだ。
[笑い話めいて語るのは、先日の彼の質問について。
覚えたての言葉を引っ張り出し、混ぜ返す。>>+16]