[母親が出て行ってから、父親との二人きりの生活が始まったが、それもそう長くは続かなかった。
すぐに新しい母親ができ、妹ができた。
連れ子、というらしい。
新しい家族のカタチに、いきなり馴染めと言われても難しくて。
ただでさえ、中学に入ってからあの変な夢を頻繁に、しかも鮮明に見るようになってしまって、なにかと不安定になっていたこともあって。
妹のことは、別に嫌いともなんとも思っちゃいないけど、気まずさから家に帰らなくなった。
そして、友達のところを転々とするうちに気付いた。
誰も自分のことなど心配してないってことに。]