そのあとのことは覚えていません。親方は動かなくなった俺を何とかして運び出し、介抱してくれました。その後、トンネルは閉鎖され近づくものは誰もいません。ですが、今でも時々思い出すのです。あの腕の感触を、あの息苦しさを、そしてそこから微かに漂った白檀の線香の匂いを…。