《僕は詩を詠んではいない》
それらしく韻を踏んでも
日常を飛躍した連想があっても
ことのはのざわめきが僕の前頭葉をくすぐり続けていても
意と音の絡みが、結びが、ほつれが、散らばりが、伸びが、寄りが、断ちが、
僕の中にしかないはずのものを あるいは
僕の中にないはずのものを
君に届ける奇跡が起きたとしても
それでも、きっと僕は詩を詠んではいない
詩になろうとしてなれなかった言葉があれば
なる気もなく詩になった言葉もあるだろう
僕のシサクは、まだきっとそのどちらでもない
いや、詩である/ないの割りきりの間、その隙間こそ
シサクなのだろうか