─ 3か月後:医務室 ─
[月基地に着任して、瞬く間に時は過ぎた。
想像以上に仕事は多かった。
医務室の整備。システムの整備。
メンバー全員のメディカルチェック、身体データ管理。
医療機器は(シアの水準に比べたら古いけれど)不足は無さそうだったので。自分を含め必要な人間に、携帯通信機器(第7期が残していったもの)を使いやすいように作り直して配布。
――それは良いとして。
起床時間、礼拝室でサージャリムに祈りを捧げた後は、寝坊助メンバーを起こしてまわり
就業時間、たまに何故か医務室で寝ようとするメンバーを追い出し(サボるならせめて自室で寝ればいいのに!)
就寝時間、いつまでも談話室や食堂で眠ろうとしないメンバーに「早く寝ろ」と言って回り]
毎日毎日、「起きろ」と「寝ろ」ばっかり…
[口うるさい自覚はある。けれど自分には第8期のメンバーを健康に帰還させる義務がある。健康な身体は健康な生活から。]
……やっぱり、口うるさいかしら…
[共同生活にまだ慣れず、人との距離感がまだ掴めない。医務室にて月基地での生活を記録しながら溜息を吐くのが、今ではすっかり日課となっていた。*]