[それでも、家族は自分を治療しようと話を聞いてくれた。ハロルドには、冷めた目でしかみられなかった話だが。親友の、話をした。勿論、患いの仲間だとは語らなかったが。「ダンテ」の名に、その系図を元に街をつくっている"兄"がいた。「アーサー」の名に、"姉"が"姪"が黄色い声をあげておもいっきり肩を揺さぶった。こちらでも、彼らは、頼りがいのある人なのだと、知って。「彼ら」にも馴染んで語り、笑いかけてくれる家族が、遠かった。]