[年が近い幼馴染と言えば、やはり遊びにも誘い易い。
湖の畔で地上から咲く華を見に行こうと誘ったこともあれば、
彼が足繁く通う屋敷まで、探偵の真似事をしたこともある。
マイスターを目指す分、年の割りに聡く出来ていた頭脳は、
広大な屋敷に隠されるように暮らしていた子供に、
何も思わないでもなかったが、それ以上に驚いた。>>9>>24
その時のことは今でも覚えている。
眼を瞠り、意外そうに口から付いて出た言葉は、
恐らく、両者へ驚きを伝播させた。]
『―――…チェス、君、
何時の間にこんな可愛い“女の子”をナンパしたんだい。』
[隅に置けない、と漏らした笑気に重なり、
オーリー爺の作る花火めいて場が爆ぜたかは―――、
生憎、都合よく出来ている頭は、良く覚えていない。*]