――……泣き虫だね。[泣かせているのは、僕なのだけど。彼女の瞼からは、また、涙が零れ落ちるから>>36。くすくすと笑いながら、それを、親指で拭って。] ありがと。[そう、笑んで。彼女を抱き締め直して。重なる鼓動。呟かれた言葉>>37に。] 僕が?[王子様というなら、もっと。きらきらと輝く金糸の、あのひとの様な。だけど。]