月狼国

306 [誰歓]詩人狼村12th[ガチ]


委員長 スピカ

        《 僕たちはくくを知らない 》
「――いい天気」

バス停、待合所。しん、とした白を君は見上げていた。

「あられはこたつで丸くなる」
『融けちゃうな、それは』

童謡の一編を引用しながら、
静かな世界で僕らは確かめあう。

「そしたら、きっと春になる」
『一理ある』

お互いに、

「――融けてしまえたのなら、いっそ」

傷だらけの左手と、骨ばった体で、
明日と         祈りを。

(39) 2021/08/04(Wed) 13:49:18

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