《 僕たちはくくを知らない 》「――いい天気」バス停、待合所。しん、とした白を君は見上げていた。「あられはこたつで丸くなる」『融けちゃうな、それは』童謡の一編を引用しながら、静かな世界で僕らは確かめあう。「そしたら、きっと春になる」『一理ある』お互いに、「――融けてしまえたのなら、いっそ」傷だらけの左手と、骨ばった体で、明日と 祈りを。