――刑事課――
[酒に連れて行ってやる、という誘いは右の耳から左の耳へ。>>34
間近の危機の回避方法を必死に考えながら、がくりと項垂れつつ所属の部へと戻っていく。
加納の温かい視線は、疲れきった心を温かめてはくれなかった。>>35
集中力を欠いている状態で、管理官の柊の視線には気が付くことはできず。
なんとか自身の机の近くに戻ってこれば、先輩の檜山に声をかけられる。>>42
体を椅子ごと半回転させて、頭だけ小さく動かした。]
……っす……。生きてます。
[かろうじて礼儀らしいものが残るのは、檜山が潜入捜査の先輩としても何度も指導を受けた相手だからだ。
ただの「職場の上司」であれば、無言で机に突っ伏したまま答えなかったことだろう。]