[最後の何歩か。ぎゅっと檜山の手を握り締めながら、リズミカルにそしてダイナミックに空中散歩をしながら観客席の目の前へと迫っていき―― ゲシッワイヤーで吊られているので大した力ではなかったが、確かにしっかりと、この足で怪盗ブラックの頭を踏みつけてやったのだった。周囲からは薄いスモークと演出に紛れて見えなかったかもしれないが、ロバートは個人的にたいへんとても満足した。真面目にやっていると、こんな良いことがあるかもしれない。それが赤狼署の新年会。*]