――好きだった。 好きだったわ。
…全てが愛おしくて、喪いたくないと思っていた。
それはね、今もなの。
大切な人たちは失われて、
ドロシーも動かなくなってしまったけれど、
かけがえのない思い出は確かにわたしの中に残っていて
その思い出をね、 …失くしたくないの。
"人は二度死ぬ"
人間が本当に死ぬときは、…誰かに忘れられた時だから。
託したいと願うのはわたしのエゴ。
――…わたしのことは赦してくれなくても構わない。
だからお願い。 どうか、生きて。
…眠ってしまったみんなを、独りにしないために。