月狼国

108 【飛び入り歓迎】赤狼署の新年会


新人刑事 ロバート

[座ったまま左右を見回せば、まだブラックはいただろうか。
その姿が見えても見えなくても、ぼやけた視界よりは芳ばしい香りのほうが優先された。>>55]

 ……餡。餡子の香りがする。

[ひくりと鼻を動かしていると、後ろからもう一度先程と同じ感触が後頭部に。
載せたのはうなぎパイだろう。
載せたのは柊だろう。

バッ! と振り返ってから彼の手を跳ね除けようとする。]

 あんたなぁっ……!
 怪盗からの差し入れのほほん配るんじゃねぇよ!

[常識的に考えればもっともな突っ込みだったが、既に周囲でうなぎパイを食べている同期や先輩たちは、不思議なものを見る目を向けてきたことだろう。]

(62) 2016/01/04(Mon) 23:57:31

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