[私は今も生きているので、どうにか脱出マジックは成功したのだろう。しかしそれと引き換えに、私の中のピュアな心は死んでしまいました。死んだ目でテキパキと書類を片付ける私はもう去年の私ではない。「去年の新年会が終わってから、佐伯は変わっちまったよ」――同僚は語る。無言で五代さんの頭を撫でながら草をあげ、ふらふらと刑事課へと。]