― 信じているものの話・続 ―
["活字印刷技術"は、未だに苦手だけれど、
陽の下の演説はどうも聞けるようにはならなかったから。
友が、アーサーが話す言葉は、直接会う時以外は。
"マスメディア"の文面から辿って読んでいくしかなかった。
気前の良い"姪"が、「王子様」に関するスクラップを作っていて。
彼の世論の情報は、だいたいがそれで得られていた。
その日は、姪が自ら自分の元にドタバタとやってきて。
どういうことだと、酷い形相で問い詰めてきた。
なんですかと聞く前に突きつけられた、
ある日の号外の切り抜き。見出し。『衝撃の事実!』。>>40]