[夢が鮮明になるにつれ、自分はその夢の内容に、人物に、どんどん傾倒していった。
もっと見たい、もっと知りたい。
夢の続きを見るためなら一日中寝ていたい。
あの基地のメンバーを、自分の親友らしき男とのやりとりを、
もっと、もっと、と。
そう思うようになった原因の一つに、彼女の存在、
『オルテンシア=スイ=レーン』の存在がある。
一度見た時から、ずっと忘れられなくて。
涙を浮かべ、それでもまっすぐこちらを見つめる彼女の瞳が。
(何故か)除草しながら、汗を拭って笑う姿が。
そういう表情をさせる『夢の中の自分』に嫉妬した。
そう。全くもって恥ずかしい話だが、
自分は、夢の中の彼女に恋をしていたのだ。]