[こうしている間にも、アンネの容態は刻一刻と悪くなっているだろうか。
なればなおさら、この目の前の医者を連れていくわけにはいかない。]
(セラ、今のお前は医者じゃない。
その資格はない。)
[>>100>>101 セラの剣幕にも引くつもりはなかった。
セラこそヘクターを嫌っているのだ、だから言うことを聞いてくれない、こちらの思いを無駄にするのだと、どこかでむなしく感じながらも。]
(死んでいく患者に……
みせかけの希望すらなく、
明確な治療法もないまま体をいじりまわして、精神的な安らぎですら残すことを許さない、
見ているこっちが痛ましくなるような表情するやつを、)
俺は、医者と、思わない。
[知らず、口走る。思考すると同時に。]