……伝えそびれたことがあったんだ。 言えないまま、彼は消えてしまったから。[聞いてはくれるだろうか。分からないけれど。ゆっくりと語りだす、「とある星蝕の記憶」。] 友情とか、愛情とか。 幸福だとか、命あることだとか。 それは、人にとって、何より素晴らしくて。 だからこそ、甘く重く、身を縛る鎖ともなるんだろう。 ……僕の言葉が、声が。 獣の血を、呪っているのなら。[言葉を切って。首を振る。]