[最初から留学しようと思ったわけじゃない。気付いたら両親に留学をお願いしていたのだ。あの時は、自分が自分じゃ無いような気持ち悪さで。中学2年生にしてアメリカへ飛び、そこからはまあ想像通り。ピアスを開け服の改造なんてものを覚え、刺々しく接しても日本のように粘着する女子も少ない快適さに、この性格も悪化して。真面目に勉強はこなし、2年間。久しぶりに帰った家よりも。見知らぬ土地で1人生きるのが前から当たり前だったような、不思議な既視感は、一体何だったのだろう。]