[そう、今回の目撃者はしいちゃんだった。
ブラックは自分の顔を踏んだのがロバートの足だということに気づいた。だから目撃者はこのふたりだ。
手がのびたのは反射だった。がしっと、その足首をつかむ。
ワイヤーを切りに行かなかったのは、一緒にいた檜山を巻き込みたくなかったからだ。
芸は成功させねばならない。ロバートへの私怨が膨らむ。さすがは我がライバル。やってくれる。
勝手にブラックの中でライバルになっているロバート
足をそっと離した。今は逃がしておこう。だが――
ロバートは気付いたろうか。
彼の足に、ブラックが獲物を見つけたときにつかう薔薇のカードが貼りつけてあったことに**]