[そうして。彼女の名前がロザベラであると知れば、]
またね、ロージー!
[と、いつものにこーっとした笑みを浮かべて、今度こそ小屋を後にした。小屋から出て街へと歩いていると、向こうから見慣れた人影が二つ。>>90]
あ、わんこ。ネ、ロ。
[本当に、わたしはどうしちゃったのかな。前みたいに、駆け寄って、抱き着いて、…ってことが、できない。名前を呼ばれたら胸が苦しくて、ホント、変。]
うん。会えたヨ。お空の穴は、やっぱり彼女のせいだったネ。
[それで、と。彼女の心臓を探す手助けを、彼に求めようと思ったのだけれど、続くネーロの言葉に、ぎくりと目を見張った。]
う、ううん!何にもないアル!ダイジョブ、ダイジョブ。
わんこも、ありがとナ!
[ネーロの顔をまともに見られない。おかしなわたし。わんこのことはホラ、ちゃんとその綺麗な目を見て話せるのに。>>100
それから送って行ってくれるというネーロの申し出は、ぎこちなくもありがたく受け入れて。三人で夜の街を歩いた。]