―― 医務室 ――
[ハールーンの返事はどうだったか。
彼を最早見慣れてしまったベッドに寝かせ、点滴と人工呼吸器を装着させる。
3か月前までは、何故かここで睡眠を貪ろうとしたメンバーくらいしか使わなかったベッド。
モニターの数値は、やはり平常値を示してくれない。]
……オルテンシア。
氷を胸と胃にあててあげて。
[傍にいてあげてとは言わなかった。
きっと、言われなくたってそうするだろうから。
テレパシーでこの場の全員に、ハールーンの生体情報数値を淡々と、一方的に流していく。
ハールーンが投薬を望んだならば、投薬を。
望まなかったなら、――それでも、出来る限りを尽くそうと動く]