錬金術師 ロザベラ

[かつての里の、鬼気迫る人々を忘れられなかった。

彼らは疑心暗鬼に駆られ、手早い解決法を求め争い、
遂には巨人の血を引かない唯人に星を喰わせ、殺し合った。

祖父を裏切り者と呼んだのも、致し方ないことだろう。
けれど今度こそ、本当に「次の守り人」はいないのだ。
あのような事態を収拾する術は無い。

だから二度と起きないように、との「お願い」を、
知らず汲んでいる人がいたとは、思いもしなかったけれど。>>128

……さて、そろそろ疲労も限界に近い。
少年と話して気が紛れた分だけ、気力は回復したものの
身体の方はすっかり悲鳴を上げてしまっている。

祭壇に背を向ける前、もう一度だけ。
振り返った時。]