[帰り道は、来た時よりも急ぎ足になったろうか。
少年が何か話すなら、もちろん答えはしたけれど
考えることに頭を使い過ぎていたから、
少々おざなりな返事になったかもしれない。
自宅前まで着けば、小さく息を吐く。
カッサンドラを呼んでくれる、という提案を、
少年がまだ覚えていたのなら、苦笑と共に折れようか。
フラフラの自分が訪ねて行けば、あの世話好きの娘は余計に心配するだろう……そんな彼の言には一理ある。>>132]
……じゃあ、また。
何かあったら、わたしでも、他の大人でもいい。
ひとりで抱えないで、頼れるひとを頼るのよ。
[大人ぶった顔をして、去り際の彼に告げた。*]