まあ、いいです。出発しましょう。
[気が落ちついて、眼鏡を少し指で持ち上げ、
コホン、と咳払い。先導を切るように、手押し車を進める。
街から出る道すがら、足取りがおぼつかない自警団らしき女性が。
目に、とまるだろうか。>>141
倒れそう、というわけではないので、そのまま通り過ぎていく。]
最近、風邪流行ってるんでしょうかね。
麦達も、調子悪いです。
なんだか…いつも通りなんですけど、そうじゃない、っていうか。
[――「当たり前」は、本当に続いているのだろうか。
口にしてみると、何となく、ぼんやりとした不安があって。
並んでいた、アーサーの馬を、少し撫ぜてやる。
これは、元気そうだ。やはり、気のせいだろうか?
そうであるならば、と、会話を続けて誤魔化そう。
あっという間に、湖に辿りつけるはずだから**]