しかし、甲斐甲斐しく世話をする君のお蔭で生き延びている。
もしも、あの学者先生が新星でも見つけたら、
君の名前くらい付けてもらわなくてはいけないね。
[冗句めかして打つ相槌は跳ねる。>>145
想像力豊かな自称芸術家は、強引さも備えている。]
――…そういえば、これは私の師に教えて貰ったのだが、
昔は――…、ずっと昔は、落ちてくる星に願いを唱えれば、
それが実現するというまじないがあったらしい。
こうも落星が多くては、有り難味がなく、
薄れてしまったようだけれどね。
[星について語るうち、古のまじないの話は、
詮のない願いを抱くが故に、口から零れ落ちた。
他愛無い、道中の歓談のひとつとして。*]