《GOTHIC》 雨が雨であるための嘘喉奥へカッターナイフはふところにある ポタージュがとけ残るように生かされて朝と私とパパ、ねえパパ 鏡って冗談みたいに儚いね 水滴の裏で溺れる花実 ぬばたまの瞳白抜き文字を追いバスは涙の水底をゆく まるで前世を編み綴る藁半紙 タルト・タタンの鋭角に泣く どこまでも同じ太さの声だから書き順通りにすれ違ったね 柱で身体の成長を・手首で心の腐食を知る。同じこと 細い針一本分の傾きに歪みあそばしおとなになって 真っ黒なシーツを選ぶ眠るときくらいは穴のあかない夜空