月狼国

299 [誰歓]詩人狼村11th[ガチ]


無責任 キミ

 《GOTHIC》


 雨が雨であるための嘘喉奥へカッターナイフはふところにある

 ポタージュがとけ残るように生かされて朝と私とパパ、ねえパパ

 鏡って冗談みたいに儚いね 水滴の裏で溺れる花実

 ぬばたまの瞳白抜き文字を追いバスは涙の水底をゆく

 まるで前世を編み綴る藁半紙 タルト・タタンの鋭角に泣く     

 どこまでも同じ太さの声だから書き順通りにすれ違ったね

 柱で身体の成長を・手首で心の腐食を知る。同じこと

 細い針一本分の傾きに歪みあそばしおとなになって

 真っ黒なシーツを選ぶ眠るときくらいは穴のあかない夜空 

(158) 2021/03/06(Sat) 15:33:29

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