――――――……あ……。[広がる景色に、思わず息を呑んだ。そこにあったのは、それまで目にしていた電飾などではない。かつて、親友の工房で見たような一つ一つ丹精を籠めて作られた手作りの街灯。零れる光も、淡い色を伴って、石畳を仄かに染める。まるで、かつて歩いた煉瓦の街並のようだ――…と、待ち合わせの場に向かいながら、自然と表情が綻んだ。]