西の国の領地に入ってすぐの出来事であった
貴様らの国の隊と正面衝突をした
人数はほぼ互角であった。だが西の国は強かった……
仲間たちが次々と殺され、圧倒的力を見せたロバート殿の騎士団もほぼ壊滅状態まで追い詰められ、引き返す選択を選ばざるを得なかった。その時であった。西の国の幼き騎士がいた。その騎士は私より一つ二つ下の男であった。
俺が逃げる中、その騎士は粛々と俺の後をつけてきた。
その距離が僅かになると敵は剣を引き抜き俺様に突きつけようとしてきた…
俺は後ろに振り返らず、逃げることだけを考えていた。何よりも早くサラマンダーよりもずっと早く。すると肉が引き裂かれる鈍い音がした。私は思わず振り返った……ロバート騎士は俺を庇い…
ロバート騎士は俺の身代わりとなり、この世を去った…
その彼の遺志を引き継ぐために今はこうやって青髪に染めているのだ。