[一心不乱に駆けて医務室に飛びこめば、何人かの――それでも今となってはこの基地のほとんどの――メンバーがいただろうか。]
―――…アン!
[息を切らして呼ぶ、幼いころの友達の名前。
いいえ。
今でも、友達。
人工呼吸器をはじめ様々な処置を皆が施してくれていて、感謝をしながら今は視線を彼女にひたと据えて]
……アン、起きてる?
[メアリーは、アンが作ってくれた薬を差し出してくれたかもしれない。投与するかは――患者の意思で決める。本来の医療現場なら効果のわからない薬、使うわけにはいかない。それでも、彼女が望むなら。
シュテンはアンの身体の現状を伝えてくれたかもしれない。
あとは……どうだろう。
自分の眼差しはアンだけに注がれている。
―――彼女は、呼びかけに応えてくれるだろうか?**]