[色々なことを思い出しながら、ぼんやりとビーカーの珈琲を飲んでいると。]
『ヘクターいる?』
[聞き覚えのある声と、扉をノックする音が聞こえた。>>193
鈴の鳴るような可愛らしい声は、きっと彼女だろう。]
いるわよ。どうぞ入って。
[菓子を頬張る部屋の主の代わりに声をかける。扉から覗いた顔は、やはりロザベラだった。
『何時まで経っても』相変わらず可愛らしい姿の彼女に、笑いながらも手をふる。この街で薬屋を殆ど利用する事がないのはきっと、彼女だけだろう。]
こんばんは、ロザベラ。
…邪魔なんてしてないわよ?
[お邪魔、という言葉にキョトンとした顔を向けて。
言葉の真意を汲み取れるほど、色恋と縁がある生活は送ってこなかった。
むしろ、自分も邪魔だったのかな?とヘクターの方へと目線を送ったりして。]