全部忘れて。――それで。
セラが、お医者さんじゃなくて。セラに戻ったら。
その時に君が、メリッサの為に泣ければ、いいなぁ。
きっと、やさしいアンネがいた、なら。
――きみは、泣けると思うから。
一緒に、いきて、ね。
死ぬのは、俺で終わりに、なれば、いい、なぁ。
[景色がぼやける。
ああ、自分はあとどれくらい持つんだろう。
そう遠くない時に、止まるであろう鼓動が、
弱々しくも今は左胸で脈打っている。
アンネの名を出した時。最後まで視線が交わらなかったな。と。
医務室での出来事を思い返す。
こんな時なのに。しくりと胸が、痛んだ*]