[冷気を伴う湖風が時の砂を舞いあがらせる。視線は、時計のガラスに映し見ていた半透明な“私”から離れて、宛てもなく宇宙を彷徨う。] あ、…、[だから、彼らに気付いたのは偶然。遠目、弱い視力では、はっきりと姿を捕えることは出来なかったけれど。なんとなく、でも。きっと。そう思って、見えない遠くに笑いかける。遅れた視線が、交わることは無くても。>>218>>224私は、生まれた時から、ずっと。笑って欲しくて。笑って、欲しかったから。*]