月狼国

60 【RP】流れ星を探して


錬金術師 ロザベラ

 『□□□の家に子が生まれたそうだ。
  呼ばれて見に行けば、薄ら髪の生えた頭には
  父祖と同じ、けれど小さな兎の耳があった。

  長く、豊かな兎の耳は。
  大地の声を確と聴くため、柔らかに俯いてゆくのだ。
  そう言って、誇らしげに笑う顔を思い出す。

  友と呼び合った頃は、最早遠く。
  「祝福を」と求められれば、ほんの少しの寂寞と。
  □□の残滓を疎む気持ちが、腹の底に落ちる。

  あの星を礎にと、□□□が蘇らせた豊かな実り。
  黄金に輝く麦の穂が、重く首をもたげるように。
  生まれた子供の耳もまた、大地の善き友となりますよう。

  祈りを捧げ、星の水で額を撫でた。』

(――卵型。優しくも力強い、地に生きる紋章の頁。)

(336) 2015/05/22(Fri) 20:11:41

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