なるほど。寓意の教訓と言う事か。 やはり、学者先生は着眼点が違うね。 しかし、叡智を追い求める学徒が、 “常識では測りきれない”なんて投げ出すなよ。 せめて、歴史家の怠慢だとか。[軽く咽喉を揺らして、見解には端々相槌を挟む。>>289重く落ちた瞼の下から覗く彼の瞳に視線を重ね。] 私はてっきり、残せない――…、 歴史家や昔の人々が眼を背けたい事実があるのかと、 そんなことを考えてしまったよ。