知ってるって何を?
[冷たいオレンジジュースのコップを差し出しながら、私は問う。
来客時の飲み物の選択はいつも、その時の気分で、相手に聞くという思考がない。
お使いを頼まれれば、出来ることなら、と頷き。
今度は傍らではなく、向かいの椅子に腰かける。]
それは構わないけれど…
研究所のひとなら、誰でも?
[メリッサさんはこのことを口外しないでと言ってたけれど、と確認する。
もしかしたら、研究所にいるくらいのひとになら、隠す必要が無いのかもしれない。
よくよく考えたら、名前を言われても、それが誰かわからなかった。
入口で、渡して下さいで、いいのだろうか。
それで、届けられるのだろうか。]